抗うつ薬が初めて開発されたのは1950年代になります。スイスのガイギー社(現:ノバルティスファーマ)がイミノベンジル系化合物を抗ヒスタミン剤として開発していて、チューリッヒ大学のKuhn博士に副作用のチェックを依頼しました。Kuhn博士はその鎮静作用に着目し、抗精神病薬の可能性を検討しましたが、いい結果は得られませんでした。そして、たまたまうつ病患者に使用したところ、明らかな抗うつ効果を見出し、初めての抗うつ病薬の発見となりました。
目次
第一世代抗うつ薬(三環系抗うつ薬)
三環系抗うつ薬は第一世代抗うつ薬と言われています。三環系と呼ばれるゆえんは化学構造の中に3つの環状構造を有している事より、三環系と呼ばれています。
三環系抗うつ薬の作用機序
三環系抗うつ薬はセロトニンとノルアドレナリンのトランスポーターを阻害することにより、再取り込みを阻害し、シナプス間隙のセロトニン、ノルアドレナリンを増加させることにより抗うつ作用を示します。
三環系抗うつ薬の副作用
アドレナリンα1受容体、ヒスタミンH1受容体、ムスカリン(mACh)受容体の遮断作用があり、めまい、低血圧、口渇、便秘などの様々な副作用が起こりやすいです。
ステム
ステムは三環系抗うつ薬を示す-pine、イミプラミン系抗うつ薬を示す-pramine及びジベンゾ[a,d]シクロヘプタンあるいはシクロヘプテン系抗うつ薬である-triptylineになります。
第一世代抗うつ薬の一覧と構造式
各成分の構造式は次のようになっています。(英名の太字+下線の部分はステムの部分です)。
※アモキサピンとロフェプラミン塩酸塩は三環系抗うつ薬ですが、第二世代抗うつ薬として、本サイトでは分類しています。
アミトリプチリン塩酸塩 Amitriptyline Hydrochloride (先発医薬品名:トリプタノール) |
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イミプラミン塩酸塩 Imipramine Hydrochloride (先発医薬品名:トフラニール錠/イミドール糖衣錠) |
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クロミプラミン塩酸塩 Clomipramine Hydrochloride (先発医薬品名:アナフラニール) |
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トリミプラミンマレイン酸塩 Trimipramine Maleate (先発医薬品名:スルモンチール) |
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ノルトリプチリン塩酸塩 Nortriptyline Hydrochloride (先発医薬品名:ノリトレン錠) |
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