第一世代抗うつ薬である三環系抗うつ薬は初めて抗うつ作用を示す薬として、一定の評価を得ていました。一方、その副作用(アドレナリンα1受容体、ヒスタミンH1受容体、ムスカリン(mAch)受容体の遮断作用による、めまい、低血圧、口渇、便秘など)により、患者の服薬コンプライアンス(医師・薬剤師の指示通りの服薬)が低下し、病気の再発、再燃が起こることもありました。
第二世代抗うつ薬の開発
第一世代抗うつ薬の問題点を改良するため、第二世代抗うつ薬の開発がすすめられました。具体的には、三環系抗うつ薬でも抗コリン作用、抗ヒスタミン、抗α1作用の比較的弱い薬や抗コリン作用、抗α1作用の少ない四環系抗うつ薬の開発が進められました。四環系というのは化学構造内に4つの環状構造を有しているため、四環系と呼ばれています。
四環系抗うつ薬の作用機序
四環系抗うつ薬は三環系と比べると効き方がマイルドと言われています。また、四環系抗うつ薬はノルアドレナリンのトランスポーターを阻害、再取り込みを阻害し、シナプス間隙のノルアドレナリンを増加させることにより抗うつ作用を示します。三環系抗うつ薬のようなセロトニン増強作用はほとんどありません。
四環系抗うつ薬の副作用
一般的に三環系よりも副作用が少ないと言われています。また、抗コリン作用の影響も少ないと言われています。ただ、三環系と同じく、眠気やめまい、口渇、便秘などの副作用があらわれる場合があります。
ステム
ステムは三環系抗うつ薬を示す-pine、イミプラミン系抗うつ薬を示す-pramine及びジベンゾ[a,d]シクロヘプタンあるいはシクロヘプテン系抗うつ薬である-triptyline、セロトニン受容体拮抗薬を示す-anserinになります。
第二世代抗うつ薬の一覧と構造式
各成分の構造式は次のようになっています(英名の太字+下線の部分はステムの部分です)。
・三環系抗うつ薬(第二世代)
アモキサピン Amoxapine (先発医薬品名:アモキサン) |
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ドスレピン塩酸塩 Dosulepin Hydrochloride (先発医薬品名:プロチアデン) |
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ロフェプラミン Lofepramine Hydrochloride (先発医薬品名:アンプリット) |
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・四環系抗うつ薬(第二世代)
セチプチリンマレイン酸塩 Setiptiline Maleate (先発医薬品名:テシプール) |
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マプロチリン塩酸塩 Maprotiline Hydrochloride (先発医薬品名:ルジオミール) |
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ミアンセリン塩酸塩 Mianserin Hydrochloride (先発医薬品名:テトラミド) |
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