片頭痛とは、頭痛の一種で頭の片側に痛みが生じる頭痛のことです。ただ実際には片頭痛患者の約40%の人が頭の両側の頭痛を発症しています。片頭痛が起こると(片頭痛発作といいます)発作は4時間~数日ほど続く事が多く、重度の発作だと何もできなくなり日常生活に支障をきたします。頭痛と共に吐き気や嘔吐、普段は気にならない光、音、においに不快に感じる事があります。片頭痛は女性に多いと言われています。
片頭痛の前兆と予兆
片頭痛には前兆と予兆と呼ばれる症状が頭痛の前に現れる事があります。
片頭痛の前兆
片頭痛が起こる前に起こる症状で、通常1時間程度で消失し、続いて、片頭痛が起こります。下表のような症状が現れる事があります。
症状の種類 | 症状 |
視覚症状 | 最も一般的な前兆です。 キラキラした光やギザギザした光が現れます。 |
感覚症状 | 体の一部にチクチクとした感覚を感じます。逆に感覚がなくなったように感じる事もあります。 |
言語症状 | 頻度の低い症状です。 ろれつが回らなくなったり、失語の症状が現れる事があります。 |
片頭痛の予兆
片頭痛が起こる数時間から2日前に起こる症状で、頭痛を予感したり、眠気、気分の変動などを感じる症状のことをいいます。
片頭痛の原因
はっきりした原因はわかっていません。神経系が他の人より敏感な人に起こりやすいといわれています。そのような体質に加えて、ストレスや過労などが発症の刺激になる事があります。
片頭痛の治療薬
軽度~中等度の頭痛では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンが用いられます。中等度から重度の頭痛、アセトアミノフェン、NSAIDsが効かない場合、トリプタン系薬剤が用いられます。
非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)
非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は、プロスタグランジン類の産生酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害します。これにより、プロスタグランジン、その中でも特に起炎物質・発増物質であるプロスタグランジンE2(PGE2)の合成が抑制されます。それにより、頭痛も軽減されます。
▼関連記事:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは?
トリプタン系薬剤
トリプタン系薬剤は頭蓋血管に存在するセロトニン受容体に作用し、血管を収縮させたり、血管拡張に関わる物質の放出を抑制することにより、片頭痛を抑える作用があります。
▼関連記事:トリプタン系薬剤とは?作用機序や構造式・副作用も
コメント