ニコチン酸誘導体は肝臓での中性脂肪などの合成を抑制し、LDLコレステロール値を低下させる作用があります。また、HDLコレステロール値を上げる作用もあります。
そもそもニコチン酸誘導体って?
ニコチン酸誘導体は言葉のままなのですが、ニコチン酸の誘導体になります。ニコチン酸はその通り、化合物の名前になります。誘導体はある化合物の構造などを大幅に変えないが、少し変えた化合物の事をいいます。つまり、ニコチン酸を土台として、少し構造を変えたものになります。
ニコチン酸の構造式は下図のようになります。ナイアシンとも呼ばれ、ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)ととも、ビタミンB3となります。
ニコチン酸 Nicotinic Acid |
ニコチン酸アミド Nicotinamide |
副作用
顔面潮紅や熱感などの副作用が報告されています。これらは末梢血管拡張によるものです。
ステム
ステムはnico-もしくはnic-となります。ニコチン酸誘導体あるいはニコチノイルアルコール誘導体のステムです。
構造式
各成分の構造式は次のようになっています(英名の太字+下線の部分はステムの部分です)。
トコフェロールニコチン酸エステル Tocopherol Nicotinate |
ニコモール Nicomol |
ニセリトロール Niceritrol |
2つの有効成分が結合した化合物
トコフェロールニチコン酸エステルはニコチン酸とトコフェロールがエステル結合した化合物で、ニコチン酸とトコフェロールでそれぞれ薬効を持ちます。
ニコチン酸の効能は前述の通りです。トコフェロールはビタミンE(脂溶性ビタミン)のことで、効能又は効果(トコフェロール酢酸エステル(先発医薬品名:ユベラ錠))は①ビタミンE欠乏症の予防及び治療、②末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、 四肢冷感症)、③過酸化脂質の増加防止があります。
トコフェロールニコチン酸エステル(先発医薬品名:ユベラNカプセル)の効能又は効果として、①高血圧症、高脂血症に伴う随伴症状、②閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害があります。
参考資料
・各成分添付文書